ラックマウント型サーバ
ラックマウント型サーバは、インターネットデータセンター(iDC)等に設置されている電子機器収納専用ラックに設置するのに適した形状のサーバです。略して「ラックサーバ」とも呼ばれています。
また、大きさを表現するときにU（ユニット）を使用するために「1Uサーバ」などの呼び方もラックサーバを意味しています。さらに、宅配ピザの箱の形に似ていることから「ピザボックスサーバ」と呼ばれることもあります。
規格はJISやEIAによってサイズが規定されており、1Uサーバは高さ約45mm×幅約19インチ× 奥行き約540mmとなっています。個人・家庭用のPCと比べると平たい形状になっていてiDCに設置されているラックにより多く設置できる形に設計されています。
2Uサーバは1Uサーバに比べ高さが2倍、3Uサーバは3倍のサーバです。このようにUが大きくなるにつれて高さのみ大きくなります。
また、1Uのスペースに2台設置できる1Uハーフサーバというものがあります。これは奥行きが1Uサーバの半分で、背中合わせに設置することで1Uサーバのサイズで2台設置できるのです。また、2Uハーフサーバもあり、こちらも同様に奥行きのみ半分のサイズです。ちなみに多機能・高性能なスイッチやルータも1Uで規格されている物が多いのが一般的です。
まとめると、19インチラックとはiDCに設置されているラックサーバを効率的に設置できる形状の収納ラックのことです。iDCのラックはコンピュータを設置することを目的に設計されているため、ラック内の冷却性・耐震性が高く電源供給とネットワーク接続も完備されています。しかし実際にはラック一杯にサーバを設置すると電源のブレーカーが落ちるなど、熱がこもってサーバが破損してしまう可能性が高くなるため、40Uサイズのラックであっても1Uサーバを40台詰め込み稼働させることは推奨されないのです。
サーバの設置には、ラックに設置されてあるマウントアングルと呼ばれる4本の柱のような物と、サーバの付属品のマウントレールを使用してサーバを固定します。マウントアングルには縦に正方形の穴が並んでおり、その穴にナットとネジを使用してマウントレールをマウントアングルに対して垂直に固定します。マウントレールは左右2本設置し、その間にサーバを差し込み、両脇のラックマウントハンドルをボルトでアングルに留める事で、ラックからサーバを容易く抜き差しできるように設置することができます。
マウントアングルに開いている穴は1U当たり3個開いており、例えば40Uのラックであれば、ひとつのマウントアングルに120個の穴が開いていることになるのです。個人・家庭向けのPCを見慣れたユーザーにとっては外観はとても特徴的です。