19インチラックの内部

19インチラックの内部構造について整理してみました。まず横幅は全体の幅の基本となる約60cmであり、主としてコンピュータを収めるものをサーバーラックといい、ルーターやハブなど通信機器を納めるものはネットワークラックと言われています。

 

ネットワークラックには配線の引き回しを容易にするためにおよそ70cmの幅があるものがあり「ワイドラック」と呼ばれています。 また、コンピュータなどでラックに収容することを想定した設計のものは「ラックマウント型」と呼ばれています。

 

通常、機器の前面左右に、ラック取付け用としてアングル状の金具(「耳」と称する)を有しています。これは取り外し可能としている製品もあります。また、ラック実装を考慮していない機器を収容するための棚「ラックマウント・アダプター」を用いる場合もあります。

 

コンピュータメーカーによっては一部タワー型ワークステーションをラックマウント出来るようにするキットをオプション販売してもいます。

 

実装機器の高さ方向はU(ユニット)と言う単位で規定され、1U = 1.75インチ (44.45mm)です。取り付ける機器はその高さにより 1U、2U サイズといった呼び方がされています。通常A4Uくらいまでのサイズが一般的です。また奥行き方向は規定がなく、取り付ける機器の奥行きを考慮して選択する必要があります。

 

取り付けネジのピッチは、EIA規格ではユニバーサルピッチとワイドピッチの2種類があります。ワイドピッチはネジ穴間隔が31.75mmと 12.7mmの繰り返しです。ユニバーサルピッチは、ワイドピッチの31.75mmの中間にネジ穴があり、1U機器の中央を一点でマウント可能です。

 

JIS規格では実装ピッチは50mmの整数倍です。ねじ穴間隔も25mmの等間隔で。このため米国製や英国製の機器と日本製の機器を混在して実装する場合には、配置に注意が必要です。場合によっては専用のブランクパネル(ふさぎ板)で機器間のすきまを埋める必要があります。

 

取り付け用のネジの径は、5mm と 6mm があるので注意が必要です。メーカーによってはどちらでも取り付け可能なように支柱に別途ナットを取り付ける形式のものもあります。このナットは「ケージナット」と呼ばれています。