19インチラックの外観

19インチラックの外観ですが、形状はラックの外観もEIA(JIS)としての規定はなく支柱だけのむき出しのものから気密構造のものまで、用途、設置場所によりさまざまです。ただし、支柱が4本構造の簡易的なものをCAB型やデータセンターなどに利用されています。

 

強い構造の地震に強い8本構造(フレーム部に4本、サーバなどの実装部に4本)の本格的なものはKAD型と呼ばれています。発熱・電源は、サーバなどが数十台入ります。そして、その発熱は非常に高くなります。このため、冷却排熱のための通風口や、ファンを前面、背面、天井面に取り付ける場合もあります。

 

また、多くの機器の電源をとるために口数の多い専用のパワーストリップを使用する場合もあり、これをコンセントバーと呼ばれています。一般的なものはケースに収められ、前面・背面がドアになり、メーカによってはオープンラックとして最低限の構造部品のものからスタンドやキャスター、冷却用FAN、OAタップまで標準装備されている場合まであります。

 

また、ラックの高さも(スタンド・キャスター・ラックキャビネットの上下フレーム部含み)70cm(約15U)程度のものから2m(約42U)程度以上のもの、46Uや49Uなどデータセンタ向けのさらに高いハイトのものなど各種あり、大型のものは耐震対策のため、必要に応じ、床にアンカーボルトを打って固定します。

 

また、連結・移動は、数本のラックで構成される場合には、隣合うラックをねじにより締結するのです。そして、複数の左右間及び通路を挟んだ前後間をフレームで固定する場合などがあります。

 

一方、背の低いラックでは移動可能なように自在車輪(キャスター)を付けているものもあり、実験室で測定器システムなどを実装する場合などに良く使用されています。高いハイトのラックは搬入時に40U程度の高さで上下に分割出来るものがあります。高さの低い搬入口でも横倒しせずにキャスター移動で搬入する事が出来るのです。

 

分割された上部は「トップハット」と呼ばれています。小型のラックには、数台のハブが縦方向に設置されているタイプのものもあり「ハブラック」などと称されています。大規模システムインテグレーションを行う通信機器・産業機器メーカーでは、自社製のラックを製造しており、システムの外観は綺麗に整えられています。